漆の魅力を知っていますか?

      2017/08/28

漆のジュエリー

はじめまして!

タジマミカと申します。

私は漆に魅せられて、現在漆のジュエリー作家をしています。

 

この記事を書くにあたり、漆や伝統工芸の何について書くべきかとても悩みました。

技術習得の苦労話とか「だからすごいんだよ!」(まあ実際すごいんですが笑)にするのか。

それとも現在直面している、伝統工芸の問題を現実として伝えるべきなのか。

 

でも、そんな話じゃなく、読んでいて楽しい話がしたかった。

そして純粋に漆が好きで、魅力を感じてるということについて書くことにしました。

 

私の「漆への恋」みたいなこの気持ちが届いて、一人でも多くの方が漆を好きになって頂けたらうれしいです。

 

きっかけ

事の発端は当時高校2年生17歳の私。

たまたまTVで石川県にある漆芸研修施設の特集で衝撃を受けたことから始まる。

「生徒は女性が8割、そして県外出身者がほとんど」だと。

 

それまでは職人は男性しかなれないと思い込んでいたから、時代が変わり、女性にも職人という選択肢が増えたのが嬉しかった。

 

そしてTVで同時に紹介されていた新宿OZONEでの伝統工芸品が集まる展示会へ足を運ぶ。

 

そこで初めて漆と出会い恋に落ちてしまったのでした。

 

漆の好きなところ

ズバリ、

  • 色と質感
  •  肌触り
  •  性質

以上3つでございます。

まずはじめに色。

 

朱や木目を生かした塗りもありますが、やはり漆黒が、一番好きです。

 

私が一目惚れした相手は、丸みを帯びた黒いお椀でした。

ふくよかで、柔らかくて、でも見つめ続けるとまるで吸い込まれそうに深い深い銀河のような黒。

 

世の中にたくさん黒いものはあるけれど、漆の黒以上に美しい黒は無いと思わされるほど。

なので作品もやはり黒ばかり作ってしまいます(笑)

 

漆のジュエリー

(「甘雨」は漆の艶やかで深い黒を綺麗に見せたくて制作しました)

 

次にその肌触り。

 

漆器は触れると、手に吸い付くような、独特の肌触りを感じます。

また保温性が高いので、熱いものを入れてもお椀から伝わるのはほんのりと優しい温もり。

 

漆のお椀が好まれるのは、一度使うとその肌触りが心地よくて忘れられなくなるからだと思う。

そしてその心地よさを感じる瞬間は私にとって「自分が今生きてる」ことを思い出させてくれるトリガー。

だから今日も漆器で食事をしています。

 

漆器の写真

(いつも使ってるのは輪島を発つ時、お世話になった先生から頂いたお椀。ふっくらした形と朱色が可愛らしくて大好き。)

 

最後に性質。

 

ここまで漆(というよりは漆器)を褒め称えてきましたが、漆の樹液自体の性質は神経質で面倒なことが多々あります(笑)

でも、そこが植物なのに人間臭いところが私は大好き。

 

この段落は作り手としての観点が強いのを前置きにして。

 

まず、漆を硬化させるには温度・湿度がすっごく大事。

 

詳しい条件は割愛しますが、

  • タイミングを逃せば乾かない
  • 漆が「乾きたい!」と求めてる時に適切に処置しないとグレる!(本当です)

 

他にも乾きの速い漆、遅い漆、粘度が高い漆、サラサラな漆etc…

採取した時期によっても個体差があります。

 

それって人間も同じだと思うんです。

誰しも個性はバラバラで、一筋縄でいかないことも沢山あって。

みんなとコミュニケーションするには声や表情をちゃんと見なきゃいけないこと。

 

漆もぐれたり反抗するけど、でも手をかければちゃんと応えてくれる。

それはまるで『手のかかる子供』のようで、とても愛おしい。

 

漆のそんな人間らしいところが大好きだから、私は今こうして漆作家になり、魅力をお伝えしたいと思ったのです。

 

漆のバングル

 

(annonとして初めてお作りさせて頂いたお品物、バングル「湛える」)

 

最後に。

もしご自宅に眠っている漆のモノがあるなら「もったいない」と仰らず是非使って頂きたいです。

 

使い方は簡単。

ぬるま湯に柔らかい布で洗った後は、水分を拭き取ってしまうだけで大丈夫!

 

それに、漆は使い込むほどに表情を変え、時間と共に深い艶を出してくれます。

それはまるで子どもの成長の見るようです。

 

そんな漆たちをあなたの生活に迎えてみませんか?

 

Website:

http://annonbymika.com/

 

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タジマ ミカ
1989年神奈川県出身。17歳で漆に魅せられ、高校卒業後、石川県立輪島漆芸技術研修所入学。基礎を2年、専門に蒔絵を3年学ぶ。在学中の2012年には国際漆展・石川2012「ハニカム」が入選。2016年に漆のジュエリーブランド「annon by Mika Tajima」を始める。Coquettish・Elegance・Luxuryをコンセプトに、着けた方が美しく見える繊細なデザインを心がけております。
タジマ ミカ

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